SSトラブルよろず相談室・事例集⑪ オイル交換で「エンジンが焼き」とクレーム、対応方法は?
ジャパンリスクソリューション主席コンサルタントの佐藤哲治が、クレーム対応や労務問題など、SSで発生したトラブルの解決事例を紹介!
<トラブル内容>
オイル交換した直後に「エンジンが焼き付いた」として高額のエンジン交換見積書を提示された。お客様は「オイル交換前は異常がなかった。SSに責任がある」と主張。オイル交換が原因でエンジンが焼き付くことはない。今回は実際の対応手順や抗弁方法をご紹介する。
<解説>
この事例は多く、損害額も甚大なわりには未だ多くのSSが対応に苦しんでいるというのが実情だ。まず、「適正なオイル交換そのものが原因でエンジンが焼き付くことはない」ということを知っておくべきである。オイル交換における作業ミスがあればありえるが、そのミスパターンは多くはない。つまりエンジン焼き付けを引き起こすようなオイル交換での作業ミスとは、例えばカートリッジの型式違いでのオイル漏れ、規定値を超えた過剰なオイル充填、ドレーンボルトからのオイル漏れくらいである。
「エンジン焼き付き」クレームの多くは、元々焼き付いた状態であったなど、既に異常が潜在、顕在していたというものと想定できる。つまり、このクレームの本質はSSに落ち度があった、なかったということではなく、SSで実施したオイル交換を契機とした「結果責任」の追及ということになる。したがってSSとしては「私どもに作業ミスはありません。お客様ご自身で私どもの過失を立証ください。挙証責任はお客様にあります」というスタンスをとればよい。
ちなみにオイル交換時にエンジンの変調、不調をSSが事前に知ることは困難。請け負った作業はオイル交換(あるいは補充)だけであり、既に発生している軽い焼付などを発見することはできない。私はお客様から要請されたオイル補充、交換は要注意だと考えている。お客様自身がエンジンの変調、オイル減りなど異常を感じている証左ではないか。
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