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2023年2月15日
SSトラブルよろず相談室・事例集⑨ 「現状渡し」の中古車に不具合、 販売者責任はある?
車販トラブル
ジャパンリスクソリューション主席コンサルタントの佐藤哲治が、クレーム対応や労務問題など、SSで発生したトラブルの解決事例を紹介!
<トラブル内容>
中古車を「現状渡し」で販売したが不具合が発生、購入者から瑕疵担保責任(2020年・民法570条改正後は契約不適合責任)を追及された。「現状渡し」と「整備渡し」の販売者責任とは?
<解説>
中古車販売での「現状渡し」は多くはないがその問題点は確認が必要と考える。現状渡しとはその名の通り、現状のまま保証無で販売すること。「現状販売」「整備無販売」ともいい、保証はない。購入者のメリットは安く、即使用できるということにある。
しかし、走行に支障があるような欠陥車であれば販売者は4つの請求権(追完、無催告解除、損害賠償、代金減額)を有することになる。民法改正前は瑕疵(隠れた欠陥)があることが条件だったが、改正後は瑕疵があったかなかったかではなく、契約書に書かれているか否かで判断される。もし契約書がなければ従来の瑕疵担保責任の考え方が準用されるだろう。販売者は簡便に仲介手数料を得るメリットはあるものの事後リスクが大きく、現状お勧めできない販売方法だと考える。
一方、多くは「整備渡し」だが、これには「保証あり」と「保証無し」がある。SSが「保証無し」販売をすることはほとんどないと思われ、購入者もそれを望んではいないだろう。たまに保証書記載の補償内容の解釈をめぐって購入者とトラブル(多くは保証内容の拡大解釈)になることがあっても、保証条項は一般化されているので大きな問題にはならない。とはいえ、中には瑕疵に近い不具合もあり、その場合は「再整備・修理」、つまり「追完請求」に応じることもやっているようである。
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